ピロリ記念日の投稿からはや10日が経過してしまいました。
もちろん、忘れていたわけではないので、ピロリ菌について書きたいと思います。
まずは、ピロリ菌ってなに?というところから。
参考資料は↑
「ピロリ菌 除菌療法を受ける患者さんのためのQ&A」
ピロリ菌に感染していて、除菌治療を受けることになった人しか、おそらく目にしたことはないであろうパンフレットです。
あ、医療関係者の方は見たことあるかもしれません。
この記事の中の引用は基本的にはこの資料からのものとなります。
ピロリ菌ってなに?
ピロリ菌は胃の粘膜に生息しているらせんの形をした細菌です。
「ヘリコバクターの「ヘリコ」はヘリコプターの「ヘリコ」と意味は同じなんだって」
知ってました?
まだヘリコプターがなにかもわからない我が子に誇らしげに説明してみるも、もちろん無反応。
どうして胃の中で生きていけるの?
ピロリ菌は「ウレアーゼ」という酵素を持っています。この酵素を利用すると、ピロリ菌の周辺をアルカリ性の環境にすることができるので、胃酸を中和することにより身を守っているのです。
おかげで、胃酸があるため通常の菌は生育できない胃の中でも生きていけるってわけですね。
ピロリ菌に感染する原因について
感染経路はまだはっきりとわかってはいませんが、経口感染が大部分で、乳幼児期の衛生環境と関係していると考えられています。ー上記資料要約抜粋ー
感染経路が特定されていないということで、予防する方法もよくわかってはいないそうです。
わが国のピロリ菌感染率は、上下水道が十分整備されていなかった時代に生まれた団塊の世代以前の人では約80%前後と高いのですが、若い世代の感染率は年々低くなっているそうです。
衛生環境の整った現代では、ピロリ菌の感染率は著しく低くなっており、あまり神経質になる必要はないでしょう。と書いてありますが、今でももちろん0ではないです。グラフを見ると、僕らの世代だと約2割くらいかと思われます。
ピロリ菌の関係する病気について
ピロリ菌に感染すると胃に炎症を起こすことが確認されていますが、ほとんどの人は症状を自覚しません。
そうなんです。僕も自覚症状はありませんでした。乳幼児期に感染することがほとんどだそうなので、そうすると僕の場合もう30年以上いっしょにいたわけで、それが普通になってるってことでしょうね。ということで、もしかしたらあなたにもいるかもしれません。
胃潰瘍、十二指腸潰瘍の患者さんは、ピロリ菌に感染していることが多く、潰瘍の発症ならびに再発に関係していることがわかっています。
胃潰瘍、十二指腸潰瘍の患者さんのピロリ菌感染率は約90%というデータや、除菌によって胃炎や潰瘍の再発が抑制されるというデータも載っています。
※でもちょっと注意してほしいのは、逆ではないということ。ピロリ菌感染者の約90%が潰瘍になるわけではありません。
ピロリ菌と胃がんは関係ある?
胃潰瘍、十二指腸潰瘍や胃炎などの患者さんを対象とした調査では、10年間で胃がんになった人の割合がピロリ菌に感染していない人では0%だったのに対し、感染している人では2.9%だったとの報告がわが国からなされています。
これは、感染していない人280人としている人1246人が対象の調査みたいですが、母数はこのくらいでじゅうぶんなんでしょうか?
でも、はっきりと差はあるようです。
除菌すると新しい胃がんの発生を減らすことができる可能性があります。また、早期胃がんの治療後にピロリ菌を除菌した患者さんは、しなかった患者さんと比較して3年以内の新しい胃がんの発生が約1/3だったと報告されています。(した人3.5%、していない人9.6%)
こういうデータを見せられると、除菌したほうがいいのかな?と思います。
除菌した後の問題点は?
除菌が成功した患者さんのうち少数の方に逆流性食道炎が報告されています。
これは、ピロリ菌によって低下していた胃酸の分泌が正常に戻ったために一時的に起こるもののようです。
ちなみに、この冊子とは別の本「予防接種は迷って、悩んでもいいんだよ」で読んだ情報では、ピロリ菌も役に立っているとありました。
・胃酸を調整して出すぎないようにしている。→(ピロリ菌いたほうが)食道がんにはなりにくい。
・ぜんそくの予防もしている。
・食欲をつかさどるグレリンというホルモンを調整している。→除菌したら太る?
そもそも10万年くらい前から共生していて、悪いことだけしていることはない、といわれればそういう気もしますし、ピロリ菌除菌も迷って悩んでもいいんですね。
とはいえ、発見されて除菌をすすめられたらする人がほとんどのようです。
僕も除菌してしまいました。
具体的な除菌の過程や費用のことは、次に書きます。
関連:ピロリ記念日
関連:ピロリ菌除菌(流れと費用)
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