さまよえる田中のさまよわない日々③

日本海新聞好評?連載中

「さまよえる田中のさまよわない日々③」

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帰国後の職探しは…



 ※前回は、旅から帰ってきて、(妻のいない)妻の実家に居候中というところまででした。

 (妻のいない)妻の実家でごろごろしているわけにもいかないので、ともかく仕事を探さなければいけない。
しかし、特に有用な資格も高い能力も持ち合わせていない、30歳を過ぎた田中が、職を見つけられるのだろうか。

「どうにかなるよ」と根拠もなく妻は言ったけれど、僕自身はとても不安であった。

 ところが、(旅に出るときに海外転出の手続きをしていたので)住民票を戻すのに町役場へ出かけたときに、たまたま出会った人から早速仕事の話があった。

ただそれは、すぐにではなく「考えといて」というくらいの話ではあったのだが。

ともかく1つでも話があれば、それは選択肢があるということ。贅沢にも僕は、どうしようか悩んだ。

そして、自分でも仕事を探しつつ、なにか仕事の話があればともかく受けてみようと思った。そのときの日記帳にはこう書いてある。

「たとえば、来た話すべて受けていったらどうなるんだろう」と。

 そして、話を作っているわけではなく本当にその次の日に、前の職場から「またウチで働かないか」と話があった。

正直なところ迷いがなかったわけではない。

しかし、来た話は受けようと決めたばかりだったので、僕はまた旅に出る前と同じく、米(と原木しいたけ)作りの仕事にもどることになった。



 結果的に僕は、帰国から1月も経たないうちに働きはじめることになった。

そしてすぐに田植えの季節がやってきて、休みのない日々が続いた。

旅をしていたときも、重いバックを背負ってよく歩いていたので、体力的にはそうきつくなかったのだが、気持ちとしては、もう少しゆっくりしたかった、などと思っていた。

まことに贅沢なことに・・・

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今読んでも、
まことに贅沢なことにですよね。


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