さまよえる田中のさまよわない日々⑧

さまよえる田中のさまよわない日々 

連載8回目でございます。

日々の暮らしを楽しんでいるようですね。
最後のあたり、ちょっとかっこつけてるようなかんじもしますね(笑)
 

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結婚して最初に住んだ家は「畑つき」だった。

引っ越して初めて、ほぼ自分だけで野菜を作りはじめた。

子どもの頃は母の野菜作りを手伝ったこともあったが、手伝うのと自分でするのは大違い。なんとなくは知っていても、いつなにをどうすべきなのか全くわからなかった。

なにせ鍬のふるいかたひとつわからない。本を参考にしながら慣れない手つきで土を耕し、畝を作り、種を蒔く。苗を植える。そんなことをしていると通りかかった近所の人にこうしたらいい、と教えてもらうこともしばしば。大変ありがたい。

 現在借りている家の畑は、何年か放置してあったために草は伸び、荒地状態であった。夫からも友人からも耕運機を薦められたが、とにかく自分のペースでやりたいのと、機械に頼りたくないということで、頑なに一人鍬のみで耕した。

これには丸1日かかった。「手じゃなくて、畑にマメをつくろうよ」と、夫に言われたのだが、今年もまた私は反対されながらも鍬をふるうつもりだ。

 ひとつ、我が家の暮らしで驚かれるのが、冷蔵庫がないこと。

 といっても今年の3月からで、まだ2ヶ月ほどしかたってはいない。結婚した友人が冷蔵庫を買うと聞き、それならうちのをあげて(そもそもこの冷蔵庫自体もらいものだった)、ずっと考えていた冷蔵庫なしの生活へ挑戦してみようということになった。

 実際生活してみて、今のところ困ることはない。冷たいものは飲めないし、長く食べ物を置いておくこともできないが、その代わりムダにすることも少ない。

洗濯機も手放してしまいたいと思っていたが、友人はすでに洗濯機を買ってしまっていた。ちょっと残念だが、ずぼらな私がこまめに手洗いできるのかそこはまだ自信がないのでかえってよかったのかもしれない…。

  草に覆われた広い畑を鍬一本で耕すように、ひとつひとつ丁寧に暮したいと思う。

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